視野・視域拡大に関する研究

計算機合成ホログラムの問題点とされている、視野・視域の問題を解決するべく研究を進めています。 ここでは、その詳細について掲載します。


視野・視域における従来の問題点





ホログラフィにおける視野・視域は共に記録媒体(あるいは出力デバイス)の分解能に左右されますが、現在LCDにはそれほどの分解能はなく、結果時に下記のような狭い範囲の視野・視域になります。 また、回折光の光の広がりをθ(式(1))としたとき、物体と観察者の間で単眼視と両眼視の場合で必要となる距離はそれぞれ式(2)、(3)のようになります。 式(2)、(3)で左の項がホログラム面と観察者の距離を、右の項がホログラムと物体間の距離を示しています。 式を見て分かるとおり、全てピクセルピッチ(分解能)に左右されています。 よって、このピクセルピッチが粗い(大きい)と観察に必要な距離も大きくなってしまいます。

 


フーリエ変換光学系を用いた視野・視域拡大法





視野および視域の拡大方法として、フーリエ変換光学系を用いた手法を紹介します。 これは、レンズを用いた下図のような構成になっており、レンズの焦点に像が結像されるようになっています。 レンズは光学的に光波分布をフーリエ変換する効果を持っているため、フーリエ変換光学系と呼ばれます。 また、LCDに当たり反射された光がレンズによって焦点に向かうため、光の広がりが大きくなります。 そのため、通常の観察よりも近い位置で、人間の両眼間隔分の光の広がりを得ることができます。 このとき、観察に必要な距離は焦点距離\(f\)のレンズを使った場合、単眼視、両眼視でそれぞれ式(4)、(5)のようになります。 通常の場合だと、ホログラムが大きければ観察距離も長くなりますが、本光学系ではレンズによって全ての回折光を収束させているため、ホログラムが大きけ・黷ホ大きいほど、近くで見ることが可能になります。 これにより、理論的には75[cm]の距離で大きさ1[cm]の物体を観察することが可能となります。 再生の様子を写真に示します。手前の空間に飛び出ているため、指で触れることもできます(実際には実体がありませんが)。 カメラの焦点が指付近にあり、周りがぼけていることから本当に指の辺りに再生像ができているのがわかります。