ホログラフィックHMD

本研究室では、計算機合成ホログラムを用いたヘッドマウントディスプレ・C(Head-Mounted Display:HMD)の開発を行っています。 一般的なホログラフィの再生装置は暗室で大規模に組まれるものですが、小型化に関する研究を進めてきた結果、ホログラフィックHMDの開発が可能となってきました。 現在、写実的表現に適した両眼用HMD、さらなる小型軽量化を実現した視覚補助用の拡張現実(Augmented Reality:AR)向け片眼用HMDが開発されています。


HMD1号機





フーリエ変換光学系を適用した再生光学系を両眼用に左右に2組配置することで両眼視化を図るとともに、瞳孔間距離に関わらず正しい奥行き知覚を誘発可能な立体像を表示する計算アルゴリズムを開発することによって、調節輻輳矛盾の解決を実証した両眼視用ホログラフィックHMDを実現しました。
また、使用するレンズ枚数や固定器具数の低減、焦点距離の短いレンズの使用などにより、210(H)×135(H)×130(D)mmの小型化を実現し、HMDとしての実用化に大きく前進しました。 さらに、時分割多重を用いた電子ホログラフィの再生像のカラー化およびディスプレイの透過化を実装したことで、再生像の写実性と臨場感の向上にも成功しています。

CGH calculation with the ray tracing method for the Fourier transform optical system



HMD2号機





本再生装置は、ホログラフィックHMDにおいてさらなる小型軽量化を図り、AR HMDにおける三次元的な視認性の低下を防ぐことを目的に開発されました。 実際に、光学系を工夫することで30(H)×90(W)×130(D)mm、120gというコンパクトな構造を実現しました。
AR HMDは、実世界に存在する物体とともに表示映像を視認できることが利点となっています。 しかし、ホログラフィを用いてない一般的なHMDでは表示映像がディスプレイ上に・ナ定されることから、三次元的に存在する実物体と同時に違和感なく映像を視認することが人間の視機能的に難しいと考えられていました。
そこで、本装置を開発し、実物体の配置された場所に応じて適切な奥行きに再生像を表示することが可能であることを示しました(下図参照)。 この技術を用いることで、様々なARシーンに対応することができる理想的な3D AR HMDシステムの実用化を目指しています。