光線追跡法を用いたCGH計算法

写実的な場面を表現できるCGHレンダリング技術は未だ確立されていません。 しかし、リアルな仮想物体の表現のためには陰面消去やシェーディング、陰影付けなどが表現可能なCGHレンダリング技術が必要です。 よって、メディア創生学研究室では、CGにおける光線追跡(レイトレーシング)法をCGHに応用したCGHレンダリング技術について提案し、研究を行ってきました。 ここでは、その詳細について掲載します。


光線追跡法を用いたCGHの計算法[1]





CGにおいては固定された一つの視点から光線を飛ばすことでレンダリングを実現できていましたが、ホログラフィには運動視差が存在するため、一つの視点からの光線追跡では視点の移動に伴い物体が欠けたりしてしまします。 そこで、ホログラム面を要素ホログラム(Elementary Hologram)と呼ばれる複数の小領域に分割し、その中心からそれぞれ光線追跡を行います。 光線追跡により得られた点情報群から、それぞれの要素ホログラムへの光波伝搬を点充填法で計算し、物体光波として記録することで近似的に運動視差を実現しています。 点情報の取得の部分に光線追跡法を導入しているため、陰面消去やシェーディング、影付けのみならず、屈折や鏡面反射などの複雑な表現が可能となりました。



[1] Tsubasa Ichikawa, Kazuhiro Yamaguchi, Yuji sakamoto, "Realistic expression for full-parallax computer-generated holograms with the ray-tracing mathod," Apple. Opt. 52, A201-A209, 2013


フーリエ変換光学系(FTOS)の導入





光線追跡法を用いたCGHの計算法に、再生時の視野拡大を可能とするFTOS(フーリエ変換光学系)を適用させることで、広視野再生を可能としました[2]。 将来的にはFTOSを用いたホログラフィックHMDに表示する再生像を光線追跡法を用いたCGHの計算法で計算することが考えられています。



[2] Tsubasa Ichikawa, Takuo Yoneyama, and Yuji sakamoto, "CGH calculation with the ray tracing method for the Fourier transform optical system," Optics Express, Vol.21 pp.32019-32031 2013